私は、鎌倉市青少年指導員協議会の一員として、子どもたちの健全な成長をお手伝いをしています。また、鎌倉のために日々活動している若者たちの活躍の場を一つでも多く創出できるよう取り組んだり、不器用で自分を上手に表現できない子や障がいを抱えている子など全ての子どもや若者の挑戦を応援できる「こどもまんなか社会」の実現に向けて、微力ですが取り組んでいます。
子どもや若者の未来の可能性を広げるのは親だけでなく地域全体の役割です
日本の共働き世帯は、2023年に1,200万世帯を超えました。これは全体の約7割を占めており専業主婦世帯のおよそ3倍となっています。
もちろん保育所の増設や育児休業の拡充など環境整備が進み、仕事と家庭を両立しやすくなってきたことが背景にありますが、働きながら子育てをする人の9割近くが「家庭の時間を十分に取れていない」と「特に子どもと接する時間が足りていない」と感じています。
日本企業の内部留保は600兆円もあるにも関わらず賃金UPに使われていません。この結果、どうしても共働きをしなくてはならない世帯が増えています。
子どもや若者が将来の選択肢は、どれだけ多くの体験をしてきたかによって変わります。
本来、子どもに色々な体験をさせてあげるのは親の役目です。ですが、共働きが当たり前となり、両親が十分な体験を子どもにさせてあげることができないこの時代において、地域社会全体で彼らを応援し、多様な体験を提供することが私たち大人の役目であり、地域全体の役割です。
鎌倉だからこその特別体験と教育を地域社会全体で創る
鎌倉には300を超える様々な市民団体やボランティア団体があり、すでに青少年指導員協議会や多くの市民団体が子どもたちや若い世代を応援する活動に取り組んでいますが、まだまだ鎌倉市としてできることはたくさんあります。例えば最近、神戸市が学校主体の部活動を終え、民間のスポーツ団体などに運営を移行することを発表しました。また、渋谷区では23年度に部活動改革のモデル校を定め、外部人材が各学校を拠点に指導を行なっています。この様に地域全体で子どもたちに様々な体験をしてもらうための仕組みを構築することができれば、子どもたちに多種多様な体験をさせてあげることができます。
鎌倉には、海・山・川などの豊かな自然、歴史ある神社仏閣、豊富な専門知識を有する市民や高齢者、現役を引退したアスリートや芸術家など、豊富な人材と資源に溢れてています。このような自然環境をベースにしたワークショップや様々な専門家による勉強会を放課後や土日に各学校で開催することができれば、共働きの家庭も安心して、進んで子どもたちを預けられるはずですし、鎌倉だからこそできる子どもたちへの大きな支援となります。
一つ具体例を挙げるとすれば、外国語が得意な方達から英語やスペイン語、中国語などを学びます。習った言語を使って、外国人観光客を案内してもらう。そんなプログラムを作ることができれば、若い頃から世界と繋がることができ、大きく視野が広がることでしょう。
これは日常的にインバウンド観光客が訪れる鎌倉だからこそできることであり、私はバックパッカーとして世界を旅していたときに様々な国の方たちと会話を重ねたことで、自分の知らない世界があることをいくつも教えてもらいました。
日本を出ることなくリアルな異文化コミュニケーションが日常的に取れる環境を整えることができれば、外国語教育における教育格差が解消されまし、鎌倉は英語教育の先端をいくことができるでしょう。
同じように、サーフィンやSUP、四季折々の花々や蛍鑑賞、書道、茶道、華道、武道、スポーツ、ダンス、音楽、芸術、経営など数えれば枚挙に暇がありません。
こういった専門知識を持つ市民やシルバー人材が創るプログラムは、子育て世代にとって重要なインセンティブとなり、鎌倉で子どもを育てたいという親たちが必ず増えるはずです。
そして、この取り組みは子どもたちのためだけでなく、眠っているシルバー人材の活躍の場の創出にもなり、まさに高齢者が子どもを支えるまちづくりとなることでしょう。
鎌倉で必要なのは、金銭的な補助や物資の補助だけでなく、ユニークな体験や高度な専門教育のプログラムです。
学校教育だけでは提供できない独自のプログラムを地域社会全体で協力し合って構築していくことこそが、鎌倉をさらに魅力的なまちに変えていくのです。
子どもたちが安全に登下校できるインフラ整備
子どもたちが毎日安心して学校に通うためには、安全な登下校環境の整備が不可欠です。現在、鎌倉市内では多くの地域で通学路の交通量の多さや歩道の狭さ、見通しの悪い交差点などが課題となっており、事故の危険が常に存在しています。こうした状況を改善し、子どもたちの安全を確保するために、インフラ整備の充実が求められています。
子どもたちが安心して学校に通える環境を整えることは、地域全体の安全性を高め、未来の社会を支える基盤となります。交通インフラの整備、防犯対策の強化、地域との連携を進めることで、すべての子どもたちが安全に登下校できるまちづくりを目指すことが重要です。
子どもたちの安全な登下校を守ることは、地域の将来を担う世代を育てることにつながります。安全な通学路が整備されたまちは、子育て世代にとって魅力的な環境となり、定住人口の増加や地域の活性化にも寄与します。
そして、これは決して子どもたちだけのためではなく地域で共に暮らす高齢者の方々の安全にもつながる重要な部分となります。
全ての若者が自分らしくイキイキと暮らせる鎌倉を創りたい
鎌倉には学生団体ニューコロンブス、防災普及学生団体Genkai、鎌倉ローターアクト、カマクラシックオーケストラ、鎌倉市ジュニアリーダーズなど、日々鎌倉の魅力向上や安全を守るために活動している若者たちが多数いらっしゃいます。
私は、彼らのような若いエネルギーこそが将来鎌倉を引っ張るリーダーになるべきだと考えていますので、一つでも多くの活躍の場を創出するために取り組んでいます。
彼らのような熱意を持って活動に励む学生や若者たちを応援し、活動の場を積極的に提供することは、これからの持続可能で活気あるまちづくりに欠かせません。若者たちの情熱や創意工夫が地域社会を豊かにし、世代を超えたつながりを生み出す原動力となります。
そして、若者の中には、自分を表現することが苦手な子や色々と不器用で上手くできない子もいます。そういう彼らが勇気を出して新しく踏み出す第一歩を応援したいと考えています。
これは福祉の分野に関係する部分でもありますが、私は鎌倉に住む全ての子どもと若者が自分らしくイキイキを暮らせる社会を実現したいです。
鎌倉小町商店会✖️防災普及団体Genkaiによる小町通りの防災活動
今年1月、鎌倉小町商店会は小町通りにおける防災対策を防災普及学生団体Genkaiと共に取り組むことで合意しました。小町通りは、多くの観光客で賑わい、地域住民や働く人々が日常生活を営む鎌倉で最も人が集まるエリアです。
そのため、大震災などの有事に備え、すべての人々の生命の安全を守るための防災対策を講じることが不可欠です。しかしながら、何から始めれば良いか分からない私たちは中々その一歩を踏み出せずにいました。そういう状況の中、Genkaiと小町通りの観光防災を共に進めていくことは、鎌倉にとって大きな意味を持つと考えています
鎌倉では益々高齢化が進み、多くの団体や自治会が運営や新しいことへチャレンジすることが難しくなっています。鎌倉小町商店会も同様に会員数の減少、会員の高齢化により満足いく商店会活動ができない状況でした。このような状況下において、若い力と共に新しいチャレンジを進めていくことで、鎌倉の未来の新しい形が作れるのではないかと大変期待を寄せていますし、志のある若い力に大いに活躍してもらえたらと考えています。
このような、若い力の活躍の場を提供することこそ私たち大人の役割です。
子どもたちの可能性を広げるための具体的な提案
1、多様な体験の場を提供する
・地域イベントやワークショップの開催:地元の職人や専門家を招き、子どもたちが職業体験や趣味の活動を体験できる場を提供します。例えば、料理教室、DIYワークショップ、科学実験など。
・スポーツや文化活動の支援:地域のスポーツクラブや文化サークルに子どもたちが気軽に参加できる仕組みを整える。
2、教育の支援
・学習支援の場を設ける:地域のボランティアが参加する学習支援教室や図書館での勉強会を開催し、学びの選択肢を広げます。
・奨学金や助成金の提供:経済的な理由で選択肢が制限されないよう、地域で資金を募り、子どもの教育を支援します。
3、異世代交流の促進
・高齢者との交流プログラム:地域の高齢者が持つ知識や経験を子どもたちに伝える場を作ります。例えば、昔の遊びを教える会や人生の経験を語る会など。
・若者と子どもの交流:地域の高校生や大学生がメンターとして子どもたちの相談に乗ったり、活動をサポートしたりする仕組みを作る。
4、キャリア教育の充実
・職場見学やインターンシップの提供:地元企業や店舗が協力して、子どもたちが実際の仕事現場を見学・体験できる機会を提供。
5、安全で自由な遊び場の確保
・公園やプレイパークの充実:子どもたちが安心して自由に遊べる場所を整備し、創造性や探究心を育む
・地域での見守り活動:安全な環境で子どもが活動できるように、地域全体で見守り体制を強化する
若者たちへの活躍の場を創出するための具体的な提案
1、地域企業や団体との連携強化
・若者向けのインターンシップや職業体験プログラムを実施
・地域企業と連携し、若者の雇用促進の仕組みを作る
2、地域イベントやプロジェクトへの参画機会の提供
・祭りや地域振興イベントの企画・運営に若者が主体的に関われる仕組みづくり
・環境保護や観光振興など、地域課題解決型プロジェクトへの参加促進
3、行政、地域、市民団体との対話の場の創出
・若者の声を行政に届けるための定期的なワークショップや意見交換会の開催
・若者のアイデアを政策に反映させる仕組みの構築
4、教育・スキルアップ支援
・地域での職業訓練やあらゆる分野でのスキルアップ講座の開催
・企業、市民団体、大学や専門学校と連携し、実践的な学びの場を提供
5、コミュニティスペースの設置
・市役所や行政センターなどに若者が自由に集まり、学びや活動ができる場所を作る
日本の人口は減少していきます。だからこそ、私たちは知恵を出し合って、他の場所では決して体験できないユニークで専門的な体験を創り、共に子どもたちを育てていくことが求められます。これからの未来を創っていく子どもや若い世代に様々な体験を提供することができれば、より豊かな鎌倉の未来を創ることができると私は信じています。
